この記事の3つのポイント
- どのページが悪いかわかっても、なぜそこで止まっているかが掴めず、ABテストやヒートマップで改善が止まる。
- LPを直しても変わらないとき問題は購入プロセス全体の断絶にあり、LP単体改修では届かない。
- 分析の起点となる仮説、対象スコープ、既存数字の棚卸しを導入前に整理し、アクセス量不足や商品力問題は対象外。
CVRが落ちている。カゴ落ちが増えている。LPを改修したのに数字が動かない。こうした問題に直面したとき、ABテストやヒートマップで手を打ってきた担当者は少なくない。ただ、そのアプローチで改善が止まってしまうケースも多い。
問題の本質は、「どのページが悪いか」はわかっていても、「なぜそこで止まっているのか」が掴めていないことにある。この記事では、購入体験分析がどんな症状に向いているのかを課題ベースで整理する。どの会社を選ぶかではなく、何をどう見るべきかの判断に使ってほしい。
数字は離脱を示すが、原因は示さない
アクセス解析では「カート離脱率が高い」は見える。しかし、その手前で何が起きているかは見えない。商品ページで迷っているのか、配送条件や返品ポリシーへの不安なのか、フォームの途中で詰まっているのか。数字が示すのは出口の場所であり、そこに至る理由ではない。
購入体験分析が向くのは、まさにこの「どこで止まっているかはわかるが、なぜ止まっているかわからない」状態だ。ページ単位のCV数を見るのではなく、購入プロセス全体を通じて、どこで体験が断絶しているかを見ることを目的とする。
LPを直しても変わらないとき、問題はたいていLPにない
LPの改修を繰り返しても数字が動かない場合、問題の所在がLPの外にあることが多い。商品ページの情報構成、カート画面での不安の喚起、フォームのステップ数と確認のタイミング、購入直前の画面で何が起きているか。LPは購入プロセスの入口にすぎず、完了までの複数ステップのどこかに断絶があれば、入口をどれだけ磨いても結果は変わらない。
「LPは悪くないはずなのに」という感覚は、多くの場合正しい。問題は別の場所にある。その「別の場所」を特定するために、購入フロー全体を対象にした分析が必要になる。
購入体験分析が向く症状
症状ベースで見ると、以下のようなケースとの相性が良い。
CVRが落ちているが、どのステップが原因かわからない
アクセス数は変わっていないのに購入が減っている。何かが変わったはずだが、どこかが特定できない。この状態は、フロー全体を構造として見ていないことが原因になっていることが多い。
ヒートマップやABテストの結果をどう読めばよいか迷っている
クリックが集まっている場所や離脱が多いページはわかる。ただ、それが何を意味するのかの解釈が定まらず、次の打ち手に結びつかない。観察と解釈の間に距離がある状態だ。
定性情報と数字がかみ合っていない
問い合わせや購入者アンケートには「わかりにくかった」「迷った」という声がある。しかしどのページの何が原因なのか、数字との対応がとれていない。定性と定量をつなぐ視点が欠けている。
購入フローが複数ステップあり、どこから手をつければよいか整理できていない
改善候補の箇所が複数あり、優先順位が定まっていない。施策を出すことよりも、どこに問題が集中しているかを整理することが先になる。
共通しているのは「数字は出ているが、問題の構造がわかっていない」状態だ。ツールが足りないのではなく、何を問うかが定まっていないことが多い。
導入前に整理しておくべきこと
どんな分析も、何を明らかにしたいかが曖昧なままでは方向が定まらない。購入体験分析を始める前に、少なくとも次の3点は整理しておきたい。
一つ目は、分析の起点となる仮説だ。「CVRが下がっている」という現象だけでなく、どのステップ、どのセグメント、どの流入経路に問題が集中していそうかを仮置きする。仮説が外れても構わない。あるかないかで、分析の精度と速度が変わる。
二つ目は、分析対象のスコープだ。LP単体なのか、カート画面までなのか、購入後のサンクスページまで含めるのか。スコープを広げるほど洗い出しは厚くなるが、最初の改善着手点が曖昧になりやすい。最初から全体を見ようとせず、問題が集まっていそうな範囲に絞ることが多くの場合有効だ。
三つ目は、既存の数字の棚卸しだ。直帰率、離脱率、ステップ別のCV数。すべてが揃っている必要はないが、「何となく問題がありそう」だけでは、分析結果をどう使うかが定まらない。手元にある数字を並べ、どこが気になるかを言葉にしておくだけで、分析の方向性は格段に絞りやすくなる。
向いていないケース
購入体験分析が有効でない場合もある。
アクセス量がそもそも少なく、統計的な判断ができないデータ環境では、購入体験の改善より集客の強化が先決になる。また、問題が購入プロセスの設計ではなく商品力や価格競争力にある場合、体験の改善で動かせる範囲は限られる。
「なぜ買われないのか」の答えが購入フローの外にあるとき、購入体験分析は問いに答えられない。現在の課題がどこにあるかを一度整理することが、分析を始める前の判断としても有効だ。
課題が整理できたら、次に何を見るか
購入体験分析が向く症状に心当たりがあるなら、まず手元の数字と課題の仮説を言葉にすることから始めてほしい。何を改善したいのか、どこに問題がありそうかを整理できると、分析の設計も、その後のアクション設計も精度が上がる。
具体的な状況をもとに話したい場合は、問い合わせから相談いただけます。
よくある質問
Q. CX Lensとは何ですか?
A. 一般顧客として実際に商品を購入し、購入後体験(Post Purchase)を分析するサービスです。
Q. 調査結果はどのような形で提供されますか?
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